プロジェクトに適したアニメーションスタイルは、どのように判断すればよいのでしょうか。
プロジェクトのアニメーションスタイルを選ぶ前に考慮すべき要素は数多くあります。しかしその前に――アニメーションとは何か。私は誰なのか。そして私は何について話しているのか。
アニメーションとは何でしょうか。アニメーションは動いているように見せる錯覚を生み出します。従来のアニメーション(2D)は鉛筆と紙を使い、アーティストが各シーンを1コマずつ手描きします。一方で、3Dアニメーターがコンピューター上で3Dとして制作することも可能です。2Dや3Dアニメーションには、さまざまなスタイルがあります。本記事では、プロジェクトのアニメーションスタイルを選ぶ際に、十分な情報に基づいて判断できるよう、要点を大まかに整理していきます。
私は誰かというと、アンソニーです。これまでキャリアの中でさまざまな役割を担ってきましたが、根っこにあるのは3Dジェネラリストでありアニメーターであるということです。3Dソフトを用いてデジタルコンテンツを制作しています。専門は3Dであり、3Dアニメーション制作プロセスの一端をご紹介できます。
まずは、3Dアート制作プロセスの全体像を把握する必要があります。3Dの制作パイプラインには多くの工程がありますが、ここではキャラクターの制作とアニメーションに必要な範囲に絞って説明します。
最初はデザインとコンセプトから始めます。通常はコンセプトアート――スケッチや設計図のようなもので、3Dキャラクターや環境がどのような見た目になるかを示します。これだけでプロジェクト全体のトーンが決まり、後に選ぶアニメーションスタイルにも大きく影響します。
次に、キャラクターのモデリングとテクスチャリングを行います。2Dのアイデアを3Dに落とし込む際には、行きつ戻りつすることになるでしょう。すべてが1:1で移行できるわけではなく、妥協も必要になりますが、その過程で思いがけない良い結果が生まれ、キャラクターに奥行きや個性が加わることもあります。
モデルが完成したら、操作できるようにキャラクターをリギングします。骨格、コントロール、各種システムをキャラクターに組み込み、3Dアニメーターがキャラクターに命を吹き込めるようにします。リギングが完了すれば、アニメーターはプロジェクト内でキャラクターにポーズを付け、アニメーションさせることができます。
3Dパイプラインの最後はレンダリングです。最終的なレンダリング済みアニメーションを作成する前に、3Dキャラクターのマテリアルの見え方・質感、光がマテリアルに与える影響、そしてレンダリングシーン全体のムードや雰囲気をどうするかを決める必要があります。
3D制作パイプラインの概要を把握できたところで、3Dアニメーションのスタイルについて話しましょう。選べる種類やスタイルは数多くありますが、ここでも大枠を押さえていきます。
リアルな3Dアニメーションは説明自体は簡単ですが、実現するのは難しいものです。リアルな3Dアニメーションでは、現実世界を再現することが目標になります。
リアルなアニメーションを制作する際は、できる限り多くの実写リファレンスを用意することが重要です。人間や一部の動物では、リアルなベースを得るためにモーションキャプチャを使用することもあります。しかし、リアルな3Dアニメーションであっても、モーションキャプチャが加工なしで使われることはほとんどありません。通常は、動きをクリーンアップし、調整し、さらに強化する必要があります。
リアルな3Dアートやアニメーションの制作が最も難しい作業の一つである理由は、私たちの脳が不自然さを見抜くのが非常に得意だからです。現実に近づけば近づくほど、成功させる難易度は上がります。
不気味の谷という言葉をご存じでしょうか。リアルさを狙ったキャラクターがわずかに外してしまうと、違和感があり、不自然で不快に感じられることがあります。
スタイライズされた、またはカートゥーン調の3Dアニメーションは、より芸術的なアプローチを取ります。キャラクターデザイン、環境、動きは、誇張されたり簡略化されたりすることがよくあります。
このスタイルは、長編アニメ映画やテレビで一般的に用いられています。多くの場合、家族や子どもを主な対象としますが、それに限られるものではありません。スタイライズされたアニメーションは、どのようなテーマやターゲット層にも活用できます。
ストップモーションは、物体を少しずつ動かし、各フレームごとに撮影する手法です。3Dでもこのスタイルや見た目を再現できますが、現実世界で発生する技術的な難しさは回避できます。つまり、ミスをして最初からやり直す心配がありません。
3Dアニメーション技術を使って2Dアニメーションを制作することも可能です。2Dのあらゆるアートスタイルは、通常3Dで再現できます。また、3Dを使って2Dオブジェクトを操作することもできます。フラットな2D世界に3Dキャラクターを配置したい場合もあれば、その逆もあります。キャラクターを手描きの白黒スケッチのように見せたい場合もあるでしょう。あるいは、水彩風の背景の上にスタイライズされた3Dキャラクターを重ねたい場合もあります。アートスタイルは自由に組み合わせられます。可能性は無限です。
アニメーションスタイルの大枠がつかめたところで、実際に選んでいきましょう。
キャラクターや環境のデザイン、そしてプロジェクトのビジュアルアートスタイルは、アニメーションスタイルに大きな影響を与えます。荒廃したポストアポカリプスの世界なのか、それとも動物の仲間とともに幻想的なキノコ王国を航海するのか。ビジュアルスタイルがアニメーションスタイルと調和することもありますが、あえて相反するスタイルを組み合わせて面白さを生むこともできます――たとえば、スタイライズされた終末世界や、リアルなキノコ王国のように。
物語のトーンやキャラクターの感情状態は、どのように動かし、世界とどう関わらせるかという判断に影響すべきです。言葉のない動きだけでも、膨大な情報を伝えられます。人間のコミュニケーションの大部分は非言語です。3Dキャラクターでも同じ感情や表情を表現できます。
監督のビジョン、プロジェクト要件、締め切り、そしてターゲットオーディエンスによって、特定のスタイルで制作する必要が生じる場合があります。
最終的には、プロジェクトに合ったアニメーションスタイルを選ぶことが重要です。キャラクター、ストーリー、アートスタイルを見てください。どのように感じるか、何がしっくりくるか。たいていの場合、間違いというものはありません。
私たちは、最初に作ろうとしたものをそのまま作り上げることはほとんどありません。たいていは、それ以上に良いものになります。旅の始まりでどのような判断をしても、道中で必ず新しい学びがあります。
Anthony Solitario
CGスーパーバイザー
アンソニーはFalconsのCGスーパーバイザーを務めています。幅広い技術力と問題解決力を備え、15年のVFX経験を持つ熟練の3Dジェネラリスト兼アニメーターです。VESのメンバーでもあり、Unreal EngineやUnityなどのゲームエンジンを愛用しています。





